佐野市の指定管理者選定に「疑義」、市議会が百条調査へ

上嶋紀雄
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 栃木県佐野市議会は、公共施設の指定管理者の選定過程が不透明などとして、地方自治法100条に基づく調査をすると決めた。佐野市運動公園など3施設の指定管理者だった共同事業体を構成する「極東体育施設」(宇都宮市)が昨年秋に破産しており、この問題を追及してきた市議会の調査特別委員会に調査権限を与えた。

 市議会が6日、百条調査を実施する決議案を賛成多数で可決した。19日に百条調査の初会合を開く。

 金子裕市長は県議時代の2017年12月~20年12月、極東体育施設の関連会社の顧問になり、月15万円の顧問料を受け取っていたと過去の市議会の質疑で明らかにしている。

 特別委の委員長を務める菅原達市議は、決議案の提案理由で指定管理者の公募と選定過程に「疑義」があると説明した。金子市長が関連会社から顧問料を受領した事実に加え、顧問契約を解消した4カ月後の21年4月の市長選で、同社と思われる関係者が金子氏の事務所に足を運んだとの証言もあると指摘。その関係性が選定に影響したのか解明が必要と訴えた。

 市は22年4月から、極東体育施設とエイジェック(東京都)の2社で構成する「極東エイジェックパートナーズ」を3施設の管理者に指定。極東体育施設の破産を受け、23年11月末に指定管理を取り消した。

 市議会は同年12月に調査特別委を設けて調べてきたが、書面調査では解明が難しかったという。今後は百条調査により関係者を証人尋問する。菅原市議は取材に「最終報告書を2月定例会に提出したい」と語った。

 金子市長は取材に「議会の決議は重く受け止めている。真摯(しんし)に対応していきたい」と話した。

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この記事を書いた人
上嶋紀雄
宇都宮総局|小山地区担当
専門・関心分野
地域の暮らし、スポーツ