避難所生活4カ月、布団で寝ていた夫は… 死後に知った血栓予防策

有料記事能登半島地震

樫村伸哉

能登半島地震の関連死は12月17日現在247人で、直接死(228人)を上回っています。朝日新聞が被災14市町にアンケートしたところ、 亡くなる直前に滞在していた場所は、最多が病院の62人で、次いで介護施設(39人)、自宅(31人)、避難所(24人)でした。

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 元日の能登半島地震で被災し、避難所で暮らしていた石川県輪島市の升本外広さん(当時74)が4月に死亡し、災害関連死と認定された。避難所で手料理をふるまうなど活動的だったが、エコノミークラス症候群になったとみられる。

 4月24日午前4時すぎ、妻キヨ子さん(77)は左ほおを2回つつかれ、起こされた。横で外広さんが胸に手を当てて苦しそうにしていた。背中をさすり、「救急車、呼ぶ?」と尋ねると、無言でうなずいた。

 これが最後の会話となった。

 輪島市は11月、約4カ月の避難所生活で外広さんの心身に相当の負荷が生じたとして、災害関連死と認定した。死因は「肺塞栓(そくせん)症」とみられる。

 肺塞栓症は、血の塊(血栓)などが肺動脈に詰まる病気。長時間同じ姿勢を続けることで足の静脈に血栓ができる「エコノミークラス症候群」が原因となることが多い。

 升本さん夫婦は避難所で、自…

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能登半島地震

能登半島地震

2024年1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る]