二つの広島県被団協「一つになればよい」 ノーベル賞報告で広島市長
広島市の松井一実市長が20日、広島県内に二つある県原爆被害者団体協議会(県被団協)について、「一つになればよいと思う」と語った。片方の県被団協の理事長で、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の代表委員も務める箕牧智之さん(82)らから、ノーベル平和賞の受賞報告を受けた際にそう述べた。
箕牧さんとノルウェーでの授賞式に出た日本被団協代表理事の田中聡司さん(80)は市役所で、「受賞を意義あるものにするために」として、来年3月の核兵器禁止条約第3回締約国会議に日本政府がオブザーバー参加することを求めるように呼びかけた。
これに対し松井市長は冷戦下の原水爆禁止運動の分裂について言及し、「被爆者は戦後一丸となって運動していたが、いつのまにか政治闘争にすり替えられて与党野党が分裂している。それぞれの主張にこだわる前に、理想に向けて一致団結して動けばいい」と述べた。
箕牧さんの県被団協の理事でもある田中さんが「被爆者運動は一つしかない。人道主義だ」などと答えると、松井市長は「広島の場合は(県被団協が)まだ二つあります」「一つになればよいと思う」などと返した。
報告後、田中さんは取材に対し、各被爆者団体は一緒に活動していると説明し、「核禁条約についての署名活動や要請を共にやってきた」と話した。
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