「お菓子の元祖」飛鳥のタチバナ世界目指す 植樹10年相次ぐ商品化
奈良県明日香村で、「お菓子の元祖」とされる日本固有のかんきつ類、タチバナ(橘)を荒れた耕地に植樹し、特産品づくりにつなげようと、産官連携で始まった取り組みが、まもなく10年を迎える。植樹した250本の苗木は成長し、多くの実を付け、化粧品や菓子メーカーなどが新商品を開発している。飛鳥発の爽やかな香りが、世界に広がる日が来るかもしれない。
住宅建材製造販売会社のケイミュー(本社・大阪市)が2015年、社会貢献活動の一環として、農園を運営する一般社団法人「飛鳥ケイミュー橘の里」を設立。県と村と連携し、国宝壁画「飛鳥美人」で知られる高松塚古墳の近くの約5千平方メートルの休耕地を借りて植樹を始めた。同法人の城山登さん(73)が管理責任者となり、約10年間、高取町の社会福祉法人の障害者の人たちと一緒に栽培してきた。遊休地を活用して障害者の雇用を図り、県内の企業などが商品開発することで地域の活性化を狙った取り組みだ。
橘が日本のお菓子の元祖と言われるのは、「日本書紀」に次のような記事があるためだ。天皇の勅命を受けた田道間守(たじまもり)が、常世国(とこよのくに)に不老長寿の薬を探しに行き、橘を持ち帰った――。その実は村内の橘寺に植えられたと伝えられ、その花は「村の花」にも指定されている。
どんな加工品に
城山さんによれば、今シーズ…
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