また会って話したい 難民の青年から「世界」託されて 特派員メモ

有料記事特派員メモ

笠原真
[PR]

@コックスバザール(バングラデシュ

 赤い土ぼこりが舞うバングラデシュ南東部コックスバザールの難民キャンプで、ハフェス・モハマドさん(20)が「ヘイ!」と声をかけてきた。人懐っこい笑顔が印象的な青年だ。

 ミャンマーの少数派イスラム教徒ロヒンギャで、迫害を逃れ、このキャンプで暮らして7年になる。

【連載】特派員メモ

世界各地で日々ニュースを追っている朝日新聞記者が取材や暮らしの中で感じたことをつづった「特派員メモ」。トランプ前米大統領の返り咲きなど、大きな国際ニュースが相次いだ2024年を振り返ったコラムを年末にまとめて配信します。長年紙面でご愛読いただいているコラムをお読みください。

 「外国で働くことが夢」と語る彼は、ミャンマーでは教育を受ける機会がなかったというが、キャンプで英語を独学で習得した。英語での面接を受け、11月から国連機関のボランティアとして食料配給の手伝いを始めた。無給だが、「外国に行くきっかけになるかも」との望みを抱く。

 だが、彼は一度もパスポートを持ったことがない。ロヒンギャはミャンマーで国籍を与えられないためだ。今はキャンプからの外出さえ許されず、外国に行くのはきわめて難しい。

 日本に生まれ、当たり前にパ…

この記事は有料記事です。残り242文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【初トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

この記事を書いた人
笠原真
ヤンゴン支局長兼アジア総局
専門・関心分野
紛争、難民、格差