時々「オムライス、嫌い」という声が届く。
3年間、オムライスをつくる動画ばかりを投稿するユーチューバーの「オムライス兄さん」(28)は、思いをめぐらせた。
考えてみれば自分も、幼い頃は好きじゃなかったなあ。何でだっけなあ……。
思い当たったのは、ケチャップの酸味だった。動画を見てくれる人の大半は、子どもがいる家族だ。
「小さい子にも喜んでもらえるオリジナルの商品をつくろう」
そう思い立ち、所属事務所と相談して酸味を抑え、甘みを感じられるケチャップをつくった。
完成したオムライスを紹介する時の「ドヤ顔」が、子どもたちに人気。新商品の名前も「ドヤ顔ケチャップ」にした。
今年4月の販売開始から、半年で10万本が売れた。
届いたのは「ケチャップ嫌いだけど、これは食べられる」との声。一緒に歩んできた「相棒」のオムライスをつくり続ける日々が、いつの間にか、誰かの役に立つようになったと実感している。
「バズり」を呼んだ仕掛け
幼い頃は、父の「メジャーリーガーになってほしい」との願いを背に、野球と英会話に熱中していた。中学生の時にヒジのけがを機に断念したが、心に残り続けたのが「何かを究め、有名になりたい」との思いだった。
大阪の大学を出た後、他のユ…
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