藤井聡太名人「戦いの幅広げたい」 失ったタイトル、奪還への思いは
昨年初めてタイトル失冠を経験した王者は今年、どんな戦いを見せるのか。藤井聡太名人・竜王(22)=王位・王座・棋王・王将・棋聖と合わせ七冠=が、報道各社の新春共同インタビューに応じた。
――まず24年を振り返って
「戦型選択でこれまでと違った形を試してみましたが、叡王の失冠など全体として結果の面では振るわないというところがあり、課題が残った1年でした」
――24年で最も印象に残った対局は
「持将棋になった棋王戦第1局(対伊藤匠七段=当時)です。私にとって公式戦で初めての持将棋で、伊藤さんが持将棋を含めて研究もされていたということで印象的な一局でした」
――最も手応えのあった対局は
「王座戦第1局(対永瀬拓矢九段)です。序盤から経験の少ない形を選んでみましたが、1局を通してある程度局面のバランスを保って指すことができました」
――最も悔しかった対局は
「王位戦第2局(対渡辺明九段)や竜王戦第4局(対佐々木勇気八段)など、一方的になってしまう将棋があり、悔しさや残念な気持ちがありました。これからはそういったことが起きないように改善していかなければいけないと思います」
――24年の将棋のテーマは
「これまでと少し違った形も公式戦で試してみようと考えていました。背景としては、最近では特に後手番で今までよりも苦戦する傾向があり、その対策として、作戦的な面でも少しずつ幅を広げられればと考えていました」
――その成果は
「あまり上手くいっていないのが正直なところですが、将棋の幅を広げることは長期的に求められることで、引き続き取り組んでいきます」
――24年は全タイトル戦が防衛戦だったが、課題や収穫は
「日程があらかじめ分かる状況だったので、対局に合わせて準備をして臨みました。タイトル戦といっても、タイトルホルダーか挑戦者かというのはシリーズが開幕してしまえば、あまり立場の違いは影響しないと思っているので、その点は前年までと変わらずという感じでした。ただ全体として振り返ると、結果や内容も含めて少し波が出てしまったので、波をできるだけ小さくしたいと思っています」
――24年は初の失冠があった。八冠と七冠の時で対局に臨む気持ちの変化は、
「対局に望む上で立場の違いは影響しないと思っているので、気持ちの変化はなかったかなと思っています」
世代ごとに異なる将棋観
――若手の活躍をどう感じるか
奪われたタイトルを奪い返しにいくのか。25歳ピーク説はいまも変わらないのか。1年を迎えた能登半島地震への思いは……。記者たちからさまざまな質問が投げかけられました。
「24年は棋王戦と叡王戦で…
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