第12回東京サミットを機にインドネシア大統領招待 日米欧に引き寄せる思惑

有料記事外交文書2024

鈴木峻
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 東京で1993年7月に開かれた主要7カ国首脳会議G7サミット)に合わせたインドネシアのスハルト大統領の来日をめぐる日米首脳会談でのやりとりがわかった。冷戦期には中立を目指した非同盟諸国の盟主を引き寄せようとの思惑で一致していた。外務省が26日に公開した外交記録に記されていた。

 93年4月16日、宮沢喜一首相は訪米し、ホワイトハウスでクリントン大統領と会談した。「極秘 無期限」の記録によると、宮沢首相は「一つ機微な問題について」と切り出した。1月にインドネシアを訪れた際の首脳会談で、スハルト大統領を東京サミットに招くことを検討すると伝えていた件だった。

 当時、インドネシアは108カ国(92年の第10回サミット時点)でつくる非同盟諸国会議の議長国。同会議は89年まで続いた冷戦期、米ソどちらの陣営にも距離を置いた。スハルト大統領の招待は、宮沢首相が93年1月に発表した東南アジア重視の外交方針「宮沢ドクトリン」に沿うものだった。

宮沢首相「G7プラス1はできない」

 ただ、開発独裁のスハルト政…

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この記事を書いた人
鈴木峻
国際報道部
専門・関心分野
政治、戦争、近代史、教育、貧困問題

連載外交文書2024(全15回)

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