第13回廃れた五島焼を知って「これだ」 移住した女性ふたり、復活への挑戦

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聞き手・西本秀
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 五島列島福江島長崎県五島市)に昨年、ふたりの女性が移住した。金沢市で活動してきた九谷焼作家の武田朋己(ともみ)さん(53)と、友人で菓子職人の辻千尋さん(34)。1月下旬に開業する工房兼カフェを拠点に、江戸時代に作られていた地元の磁器「五島焼」の復活に取り組む。

Changin’(13)

2025年は巳年。脱皮を繰り返し成長する蛇のように、「変化」しながら前に進む九州ゆかりの人たちに話を聞きました。

 《波の音が響く海辺。取材した昨年12月、活動拠点となる民家は改修工事の真っ最中だった》

 武田さん 五島に初めて来たのは2023年5月でした。金沢で目にする日本海とは違う、明るい海の色が印象に残りました。移住のために海岸沿いの空き家を見つけ、今回の改修で島をイメージして、屋根を青緑色に塗り替えました。

 《できあがる施設は、焼き物の窯を備えた工房とカフェを併設する。「ハトバ製陶所/波止場パーラァ」と名付けた》

 武田さん 私が作品を制作するほか、訪れる人が製陶に触れる場にしたい。カフェでは、好きな器を選んでもらって、パフェなどデザートを提供します。人々が立ち寄り、交流する場になるように「波止場」という言葉を選びました。

 《五島には江戸期の大きな登り窯の跡が残る。磁器が焼かれていたが、その後、途絶えた》

 武田さん 2人の息子が成人…

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この記事を書いた人
西本秀
長崎総局次長|編集デスク
専門・関心分野
戦後社会の変容、台湾政治

連載Changin’(全14回)

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