(寂聴 残された日々:76)卵焼きの思い出 姉と焼いたあつあつ、母の涙

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 わたしの子供のころ、秋は、いつもいい天気だった。

 空は高く、青くすみきっていた。空気はつめたくて、はだかの足やうでに、ふろしきのように、からんでいた。

 十一月に入るとすぐ、学校では運動会があった。亡くなった天皇陛下(明治天皇)の、お誕生日だということで、その記念の運動会であった。

 この運動会…

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