土下座を強要、つばを吐く、長く居座る…何がカスハラ?都が指針公表
カスタマーハラスメント(カスハラ)防止条例の来年4月の施行に向け、東京都は25日、カスハラに当たる具体的な行為を示したガイドライン(指針)を公表した。接客の現場からは、どこからがカスハラと言えるのかの判断が難しいとの声があり、具体例を示すことで対策を促したい考えだ。
指針では、顧客から就業者に対する代表的なカスハラ行為について「威圧的な言動」「個人への攻撃や嫌がらせ」など15種類に分類。そのなかで具体的な行為の事例として、「土下座を強要する」「顔や名札などを撮影し、本人の許可なくSNSなどで公開する」ことなどを挙げた。
事業者側が取るべき対策も示した。組織として就業者を守るという基本姿勢を周知することや、カスハラを受けた従業員向けの相談窓口の設置、従業員が取引先にカスハラをしないよう就業規則に定めることなどを求めた。
一方、条例では正当な意見や苦情は業務改善に資するとして、「顧客の権利を不当に侵害しないように留意しなければならない」と記載している。指針でも、正当なクレームは「不当に制限されてはならない」と明示した。
都のカスハラ防止条例は今年10月の都議会で、全国で初めて成立した。ただ、罰則のない「理念条例」であり、実効性の確保が課題となっている。業界や企業ごとに対策にばらつきが出るのを防ぎ、実効性を高めるため、都はカスハラ対策の「共通マニュアル」も来年2月をめどに策定する予定だ。
「法律を変えろ」もカスハラに?
■東京都がガイドラインで示し…
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