世界の動向に関する23の論点が、特集、「Chapter1 日本は豊かになれるのか」、「Chapter2 世界企業の新常識とは」、「Chapter3 対立深まる世界のゆくえ」に分けられて収まっています。
特集には、2024年を予測する3つのキーワードとして、生成AI、グローバルサウス、相次ぐ重要な選挙が解説されています。ただ、この種の雑誌としての限界として、各論点の執筆は9月ころまでのようで、最新の情勢が反映されていません。したがって、本書で示されている危惧が、より深まり、心配されていたとおりになってしまったような箇所もあります。
特に国際政治に関しては、10月にハマスがイスラエルを奇襲したことにより、環境が激変しました。その対応により、グローバルサウスの米国離れが加速してしまったように見えます。その点は、残念ながら本書には反映されていません。
「重要な選挙」の中でも際立って重要な米国の大統領選、高齢者2人の戦いになりそうですが、トランプが勝ってしまった場合の世界にもたらす混乱、気が重くなります。あのような人物が支持を集める米国社会は、私の理解を超えますが、本書では「トランプ返り咲きを想定して賢く備える」よう提言しています。また、米国など当てにせず「日本と欧州を軸に国際秩序と民主主義を立て直す」よう主張しています。なかなか難しそうです。
日経らしく、経済、為替、株式市場の動向等の予測も充実しています。新NISAも詳しく説明されています。新NISAを活用して資産形成をする人と何もしない人で、資産の二極化が進むことが予想されています。
日本にとって最大の懸念は、中国による台湾進攻の有無ですが、それについても詳しく解説されています。
ここ数年、年末年始にはこの本を読むことにしています。ささやかな暮らしを守るため、個人で備えられることは備えようと思います。
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