24年目の1月17日と、8年目の3月11日の間で、石巻で「忘れないこと」の意味を考えた

2019.01.21 Monday 18:11
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    年明け、石巻で復興支援の活動で声をかけていただいて、一緒に東日本大震災のチャリティユニットをしていることちゃんと出かけてきた。

     

    主催はコープこうべ。

    講演依頼が神戸からだったのに、会場が石巻となっていて、当初はタイプミスかと思っていたけど、実際には神戸が東北の復興支援をしているんだった。

     

    24年前の阪神淡路大震災で、たくさん支援をしてもらったから

    こんどは恩返しをしないと、って。

    だから、神戸が、東北を支援。

     

    もうなんか、いろんな意味で、背筋が伸びるというか、頭を垂れるというか(神戸だからこうべを垂れるってわけじゃないけどー)、本当に参加させてもらってよかった! っていう数日間でした。

    なので、ちょっと書いておきたいなーって思う。

     

     

    今回の催しは、東日本大震災のあとに、仮設住宅等の住民の方たちが、地域コミュニティの再生や暮らしの再建のために制作した手作り品を、さまざまな場所の人たちに買ってもらうという活動を続けている石巻のNPO「応援のしっぽ」と、コープこうべのコラボのような形で開催されたもの。

     

    とうほくの人たちが作ったものを、コープが買い上げたり、ノベルティとして発注したり。そんな支援をもう長いこと続けていて、手仕事品のカタログなどもコープ支援で制作されているのだとか。

    この「てしごと」については、本当にいろいろ思うところありなので、また別に書いてみたいなーって思っているんだけど、私が何よりも心をうたれたのは、コープこうべの理事長さんの挨拶の中にあった、こんな言葉だった。

     

    「災害は恐ろしい。でも、本当に恐ろしいのは、忘れられてしまうことです」

     

    阪神淡路大震災があった3年後、何気なくラジオを聞いていたら、こんなやりとりを耳にしたのだそう。

    ーそういえば大きな地震あったよね

    ーあれいつだっけ

    ーいつだっけなあ

     

    たった3年。まだ3年しか経っていないのに、そして、被災地の復興の道のりはまだまだで、震災は「進行形」なのに、あっという間に忘れられていく。もしかしたらそれが、1番恐ろしいことなのではないか、と思った。

     

    だから、絶対に忘れない。

    その意味合いも込めて、支援は続けていく。

     

    もうその言葉聞きながら

    ここ数年、自分の中でいろいろ迷ったり、落とし所がみつからないでいた気持ちが、ストンと腑に落ちたというか。

     

     

     

    2011年

    東日本大震災が起きたとき、被災地に友人も多かったから、いてもたってもいられず

    みなまだ子どもが小さく、家を空けてボランティアに行くわけにもいかず、かといって多額の寄付ができるわけでもなく。

    そんな中でできることを考えて、てしごとを元に同じように子どもを持つ仲間と支援を始めた。

    その時には、その方法しかできない自分がいて、そのことについてはまた改めて書こうと思う。

     

    あれから8年。

     

    東日本の復興が伸び悩む中、次々と多くの災害が起き

    それぞれの場所にそれぞれの被害の現実があって

    熊本が大変なことになって

    大阪がぐちゃぐちゃになり

    北海道が停電で真っ暗になっている中

     

    やっぱり、東日本復興支援とうたっても、最初のころに比べれば人々の関心もどんどん薄まっているし、活動は広がるというよりも先細っていることは否めず。

    結局、現地で地に足のついた支援活動ができているわけではない自分への後ろめたさみたいなものもあって

    同じことを繰り返していていいのかな? こんなにささやかで小さなままでいいのかな? 

    相手に届く支援になっているんだろうか、自分たちの自己満足になっていないか? などと

    それはもう

    何度も何度もいろんなかたちで悩んで、考えて、どうしたらいいのかなーって。そんなことばかり考えて

    支援をやめるわけじゃないけど、形は変えたほうがいいのかな? 等々、悩んでたんだった。

     

     

    石巻での体験は、そんな自分でも

     

    「忘れないでいること」

     

    だけでも意味があることなんだ、って教えてもらった気がして。

    だから、ずっと続けてきたチャリティが

     

    WASURENAI

     

    って名前であることには、最初からちゃんと意味があったんだ、って。

    そう思わせてもらえて、とっても感謝してるー。

     

     

    世の中にはいろんなことが起きて、たくさんの支援を必要としていて。

    次々と起こる災害を前に何もできない自分に悄然とすることもあるけれど

     

    ただひとつだけでも

    自分にとって大きな意味があったことを、ただただ

     

    忘れないでいること

     

    それだけでも続けていくことが、すべての他の道につながっていくのかもしれないって。

    今、そう思えるようになりました。

    お世話になった石巻のみなさんと、神戸のみなさんに心から感謝ですー。

     

    8年前の3月11日を、今年もまた思い出すためにも

    今年も、イベント行います。

     

    2019年 3月9日(土) 10日(日) 11日(月)

     

    何も大きなことができない自分でも、ただ、思い出すことだけでも大きな意味がある。

    そう思えて、また、新たな気持で。同じ気持ちの仲間と一緒に。

     

    そして、今回はなんと、とうほくてしごとグループのみなさんのてしごと作品を

    わたしたちのイベントで売らせていただけることになりました!

    岩手、宮城、福島で仲間を作って手仕事を続けている方たちの商品、ほんとにいいんです!!!

    うれしいよう。

     

    詳細はまたアップしますね。

     

     

     

    石巻での講演のテーマは「アップサイクル」

    てしごとのヒントにしてもらえるよう、いろんなアイデアをご紹介しました。

     

     

    とうほくでのてしごとグループのみなさんと。

     

     

    すごく関心を持ってもらえたのが、布をゼラチンで固めるアイデア

     

     

    NPO応援のしっぽ代表の広部さんと一緒に。

    震災後にボランティアで石巻に入って、そのままこの地に移り住んで今では結婚してお子さんも。

    たくさんのことを教わりました。

    左端はチャリティユニットのことちゃん。一緒に活動しています。

     

     

    こうべのコープの理事長さんと。こういう方がいてくれて続くことってあるんだなあ、と思う。

     

     

     

    てしごとのことについては、また改めて書いてみたいと思います!

     

     

    それではまた

    WASURENAI2019 で!

     

     

     

     

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