熱血司法修習生の物語 「リーガルエッグ」(河本ほむら作、木綿八十子画)

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松尾慈子
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漫画偏愛主義

 本作は、タイトル通りの内容で、リーガルエッグ、法律家の卵である司法修習生の成長を描いた物語だ。

 日本の最難関国家試験の一つ、司法試験に合格すると、裁判官、検察官、弁護士になれる。ただし、合格後は1年の修習を経る必要がある。主人公の筒松誠は、月給13万5千円、貯金がないために切り詰めて暮らしながら、ただいま検察の実務修習中だ。

 筒松は人情に厚い熱血漢。万引きの被疑者を取り調べることになり、「すごい・・・すごすぎる!ようし 頑張るぞ!!」と奮い立つ。一方、同じく司法修習生で筒松とペアを組む角野香は迷惑顔。「私 検察官志望じゃないし 月給13万5千円で頑張れって方が無茶じゃない?」。激熱な筒松と、クールな角野のかけあいのおかげで、難しい法律用語のられつにならず、すんなり読める。

 取り調べで、筒松は万引きをくり返す被疑者のおいたちを聞いて、彼女の動機は孤独ゆえだと思い、不起訴を提案する。当然、指導検事は拒否する。「お前は被害者の気持ちを考えたのか?」。目の前の人に全力で接する筒松は、つい情に流されてしまう。指導検察官の佐藤静流はそれを認めつつ、検察の仕事の本質を教える。つまり「日本の治安を守る それが我々の仕事」。

 佐藤静流の存在感がまた強烈…

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