第6回「政府は国民を信頼して」オードリー・タン氏からの提言
台北=石田耕一郎
オードリー・タンの教育論⑥
新型コロナ抑え込みの「成功例」と評価される台湾で、その立役者の一人でもあるオードリー・タン(唐鳳)氏(39)が1月、台北市で日本企業関係者らを前に講演し、参加者の質問に答えた。指定のサイト上に書き込まれた問いのうち、賛同する人の多い質問から順に応じる方式にも、「限られた時間の中で、なるべく多くの人が感じている疑問に答えたい」というタン氏の思いが反映されていた。主なやりとりを紹介する。
――中国のことをどうみていますか。
「お尋ねの『中国』は日本のある地方のことではないですね? 私は『中国』という2文字に、あたかも『自分が最も重要な場所だ』と訴えているような印象を持っています。だから、北京当局が行うことについて語る際には、できるだけ『中国』という言葉を使わないようにしています」
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台湾の感染対策の中心人物の一人、オードリー・タン氏の半生や教育論を6回の連載で伝えます。
個人情報の扱い、民主的か強権的か
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