2016年5月、26歳だった漫画家のおやまさんは、里帰りして長女を出産した。
妊娠8カ月の時に切迫早産と診断されてから、産後1カ月半まで実家で世話になった。
生まれたばかりの我が子は、よく泣く子だった。
おむつを替えるたびに顔が紫色になるくらい泣き叫んだ。
鼻がつまったり、寝ていてうなり声を上げたりすると、気になって眠れなかった。
「寝ている間にうつぶせになって死んでしまったらどうしよう」と心配だった。
産む前は不安がなく、子育てについて根拠のない自信があったのに。
「新生児期が終われば……」
泣き声を聞くたびにビクビクして、なぜ泣いているのかを知りたくて、スマホで検索ばかりしていた。
用意していた漫画やテレビ番組を楽しむこともできず、6畳の和室でひたすら赤子と向き合った。
「生後4週間の新生児期が終われば、何かが変わるはず」
願望も含めてそう思いながら、「生後何日」と書かれた日めくりカレンダーをめくった。
祈るような思いで迎えた28日目。本当に変化が起こった。
きっかけは母から「あんた…