35年ぶりに届いた手紙 天文学的な再会、奇跡か必然か

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若松真平
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 昨年の夏、天文学者の鳴沢真也さん(55)は、実家で書類を整理していて4通の手紙を見つけた。

 今から35年ほど前、アマチュア天文雑誌を通じて知り合った中学生・上田直生くんと文通していたときのものだ。

 工作が得意で望遠鏡を自作していた彼は、カメラ装置の電気回路図まで描いて送ってくれる子だった。

 そういえば文通してたな。彼は今どこで何をしているんだろう。そう思ったら、久しぶりに連絡をとってみたくなった。

 12月、自らの天文関係の新著が出るタイミングで手紙を書いた。

 「上田様はお忘れになっているかと思いますが、文通をしていた者です」

 夢をかなえて天文学者になったことを知ってもらうために、書籍を同封した。

 送り先は当時の住所なので、届かないかもしれないと思いながらの投函(とうかん)だった。

 それから数日後、FacebookのMessengerを通じて、こんなメッセージが寄せられた。

 「もしかして子供時代に天文…

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若松真平
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