月収1万7500円「もう死にたい」 がん闘病、女性の選択は
熊井洋美
がんの治療を続ける中で、思うように働けず、お金について悩む人は少なくない。さまざまな支援制度があり、専門家に相談することも不安の解消につながる。
手足しびれ爪ボロボロ
西日本で暮らす女性(52)は卵巣がんが見つかり、昨年2月に手術を受けた。半年が過ぎた秋、治療と暮らしの両立に行き詰まった。
パートの仕事をしていて一人暮らし。早く働くつもりでいたが、繰り返し受けた化学療法の副作用は想像をはるかに超え、体力も気力も奪われていた。だるく、手足がしびれる。爪はボロボロで、料理はもちろん、本のページをめくるのもつらい。
自己負担が一定の上限額で済む「高額療養費制度」を使い、毎月の支払いは4万4千円ほどだった。貯金を切り崩し、政府の新型コロナウイルス対策の給付金も治療費にあててしのいできたが、回らなくなった。「もう死にたい」。そんな言葉が口を突いて出た。
主治医に「先月の収入、1万7500円」と漏らすと、「うちの相談室に行った? いろんなプロの力を借りればいい」と助言を受けた。
病院のがん相談支援センター…