第4回製鉄所を離れても「地獄」 尋問6時間、ロシア兵が見せた夫の写真
ウクライナ南東部マリウポリのアナスタシア・ミヒロフさん(26)は57日ぶりに製鉄所「アゾフスターリ」から退避した。長男(4)とともに待ち望んでいた自由だった。だが、連れて行かれたのは、親ロシア派勢力の「選別キャンプ」。6時間半に及ぶ尋問が待っていた。
写真を撮られ、指紋も採取、持ち物はすべて検査され…
太陽の下で子どもに思い切り遊ばせてあげよう。パパもきっと無事に帰ってくる。
ウクライナ南東部マリウポリのアナスタシア・ミヒロフさん(26)は長男のイワン君(4)と3月10日から、製鉄所「アゾフスターリ」の地下シェルターで避難生活を強いられた。
5月6日、国連と赤十字国際委員会の関与により、待ち望んでいた退避の日がやってきた。
【連載】アゾフスターリ 「地獄」で何が起きたか
製鉄所「アゾフスターリ」では、300人超の市民が地下シェルターで約2カ月過ごし、5月上旬に製鉄所から脱出しました。朝日新聞は退避した市民8人に死と隣り合わせだった地下生活の実態を聞きました。
ところが、ようやく自由を取り戻したと思ったのもつかの間、新たな「地獄」を体験することになった。
避難していた他の人たちと一緒にバスに乗せられた。
東へ25キロ。着いた先はベズイメンネという村だった。
親ロシア派勢力が「ドネツク人民共和国」として支配する地域内だ。
そこが、「選別キャンプ」だった。
村の広場に15張りのテント…
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