園バス置き去り「通知出したのに」と大臣 現場が感じるズレと危機感
「いったいあの通知は何であったのか」。静岡県牧之原市の認定こども園の送迎バス内で3歳の女の子が置き去りにされて死亡した翌6日、永岡桂子文部科学相は会見でそう嘆いた。
大臣の言う「通知」とは、1年前に福岡県で通園バスの置き去り死亡事故が起きた後、国が各園に注意を促すために自治体などに向けて出した事務連絡のことだ。
だが、現場からは、こうした通知やマニュアルが多数届き、「読むだけでも大変」という声も。
福岡の事故から1年あまりで繰り返された事故。二度と起こさないために、何が必要なのか。
福岡の園バス置き去りを受けて出された
事務連絡は、福岡県中間市の保育園で送迎バスに置き去りにされた5歳児が亡くなった翌月に出された。
17ページにわたっていて、各都道府県や市町村の保育園や幼稚園を主管する部署の宛先がずらりと並び、子どもの出欠の情報共有や登園時や散歩時の人数確認の徹底、マニュアルの見直しなどを促している。
岩手県大槌町の「おおつちこども園」の八木沢弓美子園長は、全国のどこかで保育事故が起きるたび、こうした通知だけが送られてくることに、違和感を感じているという。
「子どもの命がかかっているのだから、文書やマニュアルだけで済む問題ではない。福岡の園で置き去り事故が起きてから1年間。気をつけてくださいと書かれた書類だけが積み重なっていくのは、やるせない」
二度と子どもの命が失われないように、ほかに何が必要でしょうか。複数の専門家や現場を訪ねながら考えました。
園にあるパソコンを開くと…
【初トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら