第5回楳図かずお、今の肩書は? 27年ぶり新作で目指した漫画の進化

有料記事楳図かずお グワシ!に未来へ

聞き手・黒田健朗=おわり
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 《2014年に公開された映画「マザー」で監督を務めた》

 ある日、ホラー映画の監督をやらないか、というオファーが来て、受けることにしました。映画に出る体験をいっぱいしてきたので、今度は撮る側をやろう、と。

漫画家・芸術家楳図かずおさんが半生を振り返る連載「グワシ!に未来へ」。全5回の最終回です。

 大うそをこきたい、と思いました。それで、自分自身を主人公にすることにしたんです。そうすると、ドキュメンタリーっぽく見えるでしょ? でも内容は全部うそ、という形にしました。

 《映画の撮影準備を進めていた13年、病に見舞われた》

 飲食店で転倒したんです。人生で初めて、救急車で搬送されました。水分をあまりとっていなかったのがよくなかったみたいです。

 その時点ではなんともなかったのですが、その後「慢性硬膜下血腫」という病気になっていたことがわかりました。頭をぶつけたことで出血して、血腫ができてしまった。頭から血を抜く手術が必要で、右側と左側の計2回やりました。手術する先生のまわりのアシスタントの女性がみんなきれいな人で、天国に召される時の天使のかわりなのかな、とも思ってしまいました。

 手術の後は、頭から管を出しながら映画の打ち合わせをしたんですよ。衣装合わせの時は、歩ける状態じゃなくてね……。

 《回復し、映画も無事に公開…

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この記事を書いた人
黒田健朗
経済部|総務省担当
専門・関心分野
漫画、アニメ、放送
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