昨年9月。東京23区内に住む会社員男性(47)は、口座の出入金の履歴を見て驚いた。
区立小6年の長男が、中学受験を控えて都内の進学塾に通っていた。
一度に約30万円。秋以降の特別講座など、様々な費用がまとめて引き落とされていた。
その2カ月前、夏期講習の費用として15万円ほどを納めたばかりだった。
難関中学への合格者が多く、人気の塾。授業料も安くはない。男性も覚悟はしていたが、引き落とされた額の大きさに動揺した。
ただ、このときは、まだ気づいていなかった。出費がさらに膨らむことに。
首都圏で中学受験熱が高まっています。今春、首都圏の私立、国立中を受験した小学生の人数は過去最多になりました(首都圏模試センター調べ)。一方、中学受験は塾代などがかさみ、負担の重さに悩む保護者も少なくありません。何にどれくらいかかるのか。親たちはどうやりくりしているのか。どんな節約術があるのか――。中学受験をめぐる「お金」のいまを取材しました。
「感覚がどんどんまひしていった」
男性の世帯は、専業主婦の妻…