第1回塾、家庭教師…課金するほど「撤退」できず 息子の中学受験、総額は

有料記事中学受験とお金

高浜行人
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 昨年9月。東京23区内に住む会社員男性(47)は、口座の出入金の履歴を見て驚いた。

 区立小6年の長男が、中学受験を控えて都内の進学塾に通っていた。

 一度に約30万円。秋以降の特別講座など、様々な費用がまとめて引き落とされていた。

 その2カ月前、夏期講習の費用として15万円ほどを納めたばかりだった。

 難関中学への合格者が多く、人気の塾。授業料も安くはない。男性も覚悟はしていたが、引き落とされた額の大きさに動揺した。

 ただ、このときは、まだ気づいていなかった。出費がさらに膨らむことに。

首都圏で中学受験熱が高まっています。今春、首都圏の私立、国立中を受験した小学生の人数は過去最多になりました(首都圏模試センター調べ)。一方、中学受験は塾代などがかさみ、負担の重さに悩む保護者も少なくありません。何にどれくらいかかるのか。親たちはどうやりくりしているのか。どんな節約術があるのか――。中学受験をめぐる「お金」のいまを取材しました。

「感覚がどんどんまひしていった」

 男性の世帯は、専業主婦の妻…

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この記事を書いた人
高浜行人
東京社会部|教育班キャップ
専門・関心分野
学校教育、受験、教育行政
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    おおたとしまさ
    (教育ジャーナリスト)
    2022年10月19日7時41分 投稿
    【視点】

    「負け組にしないための中学受験」とでもいうべき切実なニーズが、いま、中学受験の裾野を広げているように感じています。 2021年に「親ガチャ」という言葉が流行りました。「出身家庭の経済格差が教育格差を生み、教育格差が学力格差を生み、学力格差

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    宮坂麻子
    (朝日新聞編集委員=教育、子ども)
    2022年10月19日12時54分 投稿
    【視点】

    おおたさんの「負け組にしないための中学受験」、まさにその通りだと思います。日本経済の展望が開けない中で、ひとまず、安定した生活ができるようにしてやりたいという親心でしょう。加えて、最近感じるのは、両親ともにフルタイムで働いている家庭の、子育

    …続きを読む