攻める永瀬拓矢、受ける佐藤天彦 未完に終わった熱戦の棋譜
【将棋観戦記】A級順位戦4回戦
▲(先手)王座 永瀬拓矢(1勝2敗) △(後手)九段 佐藤天彦(1勝2敗)
にぎやかな朝
王座を4連覇中の永瀬と名人3連覇の実績を持つ佐藤の一戦は、10月28日に東京・将棋会館で指された。共に黒星が先行しており、ここで五分に戻しておきたい。対戦成績は5勝5敗と互角だ。
朝の大広間はにぎやかだった。棋聖戦の佐藤康光九段―鈴木大介九段戦はベテラン対決で、王将戦の近藤誠也七段―服部慎一郎五段戦は20代対決だ。「パチッ」と響き渡る駒音があれば、耳を澄まさないと聞こえない駒音もあるのが面白い。
最も上座の「高雄」で指された本局は、永瀬の先手で角換わりになった。永瀬の駒音は静かだが、指し手は速い。佐藤は考慮時間を使わない時も、一手一手確かめるように指す場面が目立った。
▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7六歩 △3二金 ▲7七角 △3四歩 ▲8八銀 △7七角成 ▲同銀 △2二銀 ▲4八銀 △3三銀 ▲7八金 △6二銀 ▲4六歩 △6四歩 ▲4七銀 △6三銀 ▲3六歩 △7四歩 ▲3七桂 △4二玉1 ▲6八玉 △7三桂 ▲2九飛 △8一飛 ▲1六歩 △1四歩 ▲9六歩 △9四歩 ▲4八金 △7二金2 ▲5六銀 △6二金 ▲6六歩 △5四銀 ▲7九玉 △6三銀 ▲8八玉 △5四銀1 ▲4五桂 △2二銀1 ▲3五歩 △同歩1
▲4五桂で戦いが始まった…
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