第14回永住権得た中国人「パワーカップル」の悩み 外国人「高度人材」は今

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編集委員・堀篭俊材
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 首都圏に住む30代の中国人夫妻は、5歳になる長男の教育に余念がない。

 英語教育に熱心なバイリンガルの幼稚園に入れ、学習塾にも通わせる。

 夫は2002年に来日し、京都の有名私大の経営学部を卒業した。勤めながら大学院で学んだ。

 転職を重ね、今のIT企業で4社目だ。

 3社目に転職したとき、「数年勤めないと昇格できない」というルールがあるのを入社してから聞かされた。

 「そういう大切なことは入社前にきちんと伝えてほしい」。上司に抗議したが、聞き入れられなかった。

 だが、同じころに入った日本人の同僚は昇格した。

 国籍が違うから差別されたとは思わない。ただ、「不文律」がありながらも、逃げ道も用意されている。日本企業の「ゆるさ」には幻滅した。

 「そもそも中国企業に比べ日本は昇進も遅いし、給料も安い」。能力主義の職場に憧れて、今の会社に移った。

「日本に住み続けたい」 息子は「お受験」予定

 妻は首都圏の大学に交換留学生として来日した。有名私大の大学院を出て、大手流通会社で働く。

 外資系の会社に入った中国出身の友人の方が昇進も早く、給料も高いのに不満を感じている。

 「中国の企業では30歳前後で管理職になる。日本は主任になるまで、何年もかかる企業が珍しくない」

 2人合わせた年収は1千万円…

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