第19回クーデター逃れ「高度人材」として日本へ 事実上の難民、認定には壁

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浅倉拓也
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 日本に来たばかりというのに、その若いミャンマー人たちは日本語で十分に意思疎通ができる。国家試験の参考書を読んでいる人もいた。

 住宅の断熱工事の現場などで働いているが、外国人技能実習生ではない。

 最大都市ヤンゴンの大学で建築学や電気工学を学んだ技術者だ。機械のメンテナンスや技能実習生の管理を担う高度人材として、日本での在留が認められた。

 日本は「難民鎖国」と言われるほど難民認定が厳しく、「難民」として日本で暮らす人は多くない。だが、難民と同じような状況にありながら、就労などの在留資格で海外をめざす人々もいる。

 建設会社で働く、その20代のミャンマー人男性が本格的に日本語を習い始めたのは、2021年2月の国軍によるクーデターの直後からだ。軍に抵抗した市民の多くが殺され、経済は混乱に陥った。

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この記事を書いた人
浅倉拓也
大阪社会部
専門・関心分野
移民、難民、外国人労働者

連載気づけば「移民大国」 どうなる?日本への労働者(全30回)

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