ボナールが見つめた水浴、窓際のモリゾ 室内画が描く愛と抑圧

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西田理人
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 室内画という言葉があるように、古くから部屋という空間は、芸術家にとって重要なテーマの一つであり続けてきた。ポーラ美術館神奈川県箱根町)の企画展「部屋のみる夢 ボナールからティルマンス、現代の作家まで」は、19世紀から現代までの作家9組による約50点を集め、近代以降の室内を描いた表現とそこに託された意味をたどる。

7月2日まで、会期中無休。出展作家は、ベルト・モリゾ、ヴィルヘルム・ハマスホイ、ピエール・ボナール、エドゥアール・ヴュイヤール、アンリ・マティス、草間彌生、ヴォルフガング・ティルマンス、高田安規子・政子、佐藤翠+守山友一朗。

 コロナ下でのステイホームを経て、部屋の持つ意味はどのように変わっただろうか。オンライン会議システムなどが急速に普及し、離れながらにして他者とつながることが可能になった半面、閉塞(へいそく)感や孤独をもたらす場所としてのイメージはますます強まっているようにも思える。

 19世紀後半のパリに生きた印象派の女性画家ベルト・モリゾにとっても、部屋はある意味で抑圧の空間だった。女性の社会参加が限られていた時代にあって、画家もまた多くの時間を家庭で過ごすことを余儀なくされたからだ。そんなモリゾが好んで描いたのが、バルコニーや窓際の情景。室内と屋外の境界に位置するそうした空間であれば、画家は外光の降り注ぐ様子を存分に描くことができた。

 一方、閉ざされた私的な空間…

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