袴田さん無罪の可能性「分かっている」 でも有罪立証する検察の内幕

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村上友里 植松敬 横山輝 本間久志 小山裕一 大平要
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 3カ月の検討の末、検察は、再審無罪が確実視される袴田巌さん(87)の有罪立証を続ける方針を決めた。再審開始決定に対する特別抗告を断念した一方で、同じ争点を蒸し返すような姿勢に、弁護団は「時間稼ぎだ」と憤った。

 「(袴田)被告が犯人であると立証する」

 10日午後、静岡地検は報道陣に説明する場を設けた。検察が公判前に立証方針を説明するのは異例だ。奥田洋平・次席検事は「死刑が確定した被告の再審開始が決まった極めて重大な事案で、国民の関心も高い」と理由を語った。

 地検は、静岡地裁に提出した文書を要約したA4用紙5枚の資料も配布した。中でも分量を割いたのが、袴田さんの犯行時の着衣と主張する「5点の衣類」だった。

 長期間みそに漬かっても、付着した血痕の赤みは残るという訴えだが、再審開始を決めた3月の東京高裁決定は「黒褐色に変わる」という弁護側鑑定の信用性を認めた。

 再審開始決定に対する最高裁への特別抗告には憲法違反か判例違反が必要だが、再審公判で改めて有罪を主張することには法律上、特段の制約はない。それでも特別抗告の断念と有罪立証は逆方向の発想に映る。

検察「有罪立証、制度上許される」

 奥田次席は「特別抗告しない…

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この記事を書いた人
村上友里
国際報道部
専門・関心分野
難民移民、人権、司法
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    西岡研介
    (ノンフィクションライター)
    2023年7月11日11時59分 投稿
    【視点】

    〈検察の主張に沿った意見書を作り、再審公判での証人尋問を想定して問答を確認する「証人テスト」も済ませた〉。公判での証人尋問に備え、検察側が行うこの「証人テスト」の実態がいかに作為的なものであるか、日常的に検察や裁判所を取材している司法担当記

    …続きを読む