第1回「何いきってんねん」のショックいまも 橋爪功、大阪育ちの少年時代

有料記事橋爪功 ついつい皮肉が言いたくて

聞き手・井上秀樹
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 《まじめな人物もひょうきん者も、素朴な人も嫌みなやつも、さらっと扮する》

 「100万回生きたねこ」の佐野洋子さんは、辛口な批評をするんで大好きなんです。あの人に「ヅメはさ、役者に生まれなかったらどうしてたのってぐらい、役者が似合ってる」ってポロッと言われたことがありますね。

 そんなに役者に向いてないもんな、ってどっかでは今でも思ってんですけど。でもこうやって、60年続けてきちゃったわけだから、嫌いじゃないでしょうね。

 役者は人が悪いか育ちが悪いかじゃないとなかなか大成しないってのが、俺の勝手な持論なんですよね。なんか疑ってかかるとか。

俳優・橋爪功さんが半生を振り返る連載「ついつい皮肉を言いたくて」。全4回の初回です。(2023年6~7月に「語る 人生の贈りもの」として掲載した記事を再構成して配信しました)

 《関西人の精神が生き方、考え方に息づく》

 だいたい権威に反発するのは、小さいときから、近所のおっちゃんにごまんと教わってきたことだから。そういうのは自然に身に付いてるのかな。

 ガキ大将だったから、遊んで…

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この記事を書いた人
井上秀樹
文化部
専門・関心分野
寄席演芸、舞台芸術、大衆芸能
人生の贈りもの

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