地域の鉄道網が大きく変わっていくことになるかも知れません。10月から国や自治体、鉄道事業者らが赤字ローカル線の将来像を話し合う「再構築協議会」の仕組みが動き出します。存廃の論議の見通しや課題は。斉藤鉄夫・国交相に聞きました。
シリーズ 線路は続くか
ローカル鉄道の問題を現場から考えます。県知事ら関係者へのインタビューもお伝えしています。
――ローカル線論議に国が加わる「再構築協議会」の仕組みができました。
地域公共交通について、これまでは事業者任せだった。これからは事業者と自治体と国が情報や問題意識を共有し、必要な公共交通を守っていく。国もお金を出す。
社会資本整備総合交付金を、地方公共交通の再構築のために出せることになった。そのかわり(自治体や事業者は)協議の場に出てきて、一緒に問題を解決しようということだ。
――なぜ今なのですか。
少子高齢化、人口減少で利用者が減っていく。その状況が、コロナ禍でがくんと前倒しで来た。立ち直ってはいるが、まだ回復していない。
今年6月のG7交通大臣会合で「移動の自由」という価値観を確認した。「行きたいとき、行きたいところへ、容易に行くことができる」ことが大切。人口減少社会において、移動の自由を保障する公共交通が、どんな形なら持続可能で、地域の方に満足していただけるか。それを考える正念場だ。
――どんな議論をしていきますか。
すぐに結論が出るとは思っていない。社会実験として、例えば芸備線で運行本数を増やしてみるとか、そういう実験をやりたいときは、そのお金も出す。
「廃線ありき」なのか
――「廃線ありき」という懸…