勤務調整のパート女性「もっと働きたい」 年収の壁対策の意義とは?
パートで働く人らが社会保険料を負担しないよう時間を抑えて働く「年収の壁」問題。就業調整をする人や事業主はどんな課題を抱えているのでしょうか。政府は「当面の対応策」を打ち出していますが、解決への道のりは厳しい状況です。
10月上旬、東京都墨田区にある「スーパーイズミ本店」では朝の開店前、パート従業員らが台車に載せた野菜や果物をせわしく店内に運び込んでいた。
その中の1人、40代の女性は約10年前から勤務している。電気工事会社で働く夫と高校1年の長男と3人で暮らす。長男は野球部に所属し、大学進学も希望しており、女性は「なにかとお金はかかる」と語る。
働けば働いただけ家計の支えになるが、毎月のように勤務時間を調整しているという。いわゆる「年収の壁」を意識するからだ。年収が130万円を超えると夫の扶養からはずれて、年金や健康保険の保険料の負担が重くのしかかる。手取り収入が減るのを避けたい思いは強いという。
従業員間の「公平感」に課題も
「年収の壁」はスーパーの運営にも影を落とす。
スーパーイズミは本店と浅草…