年収の壁「支援強化パッケージ」 パート労働者はどうなるの?

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浜田陽太郎
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 パートで働く人らが社会保険料を負担しないよう時間を抑えて働く「年収の壁」問題。政府は9月下旬に対応策として「支援強化パッケージ」を打ち出しましたが、解決への道のりは険しい状況です。パッケージに盛り込まれた主な内容とその課題とは――。

 「106万円の壁」では、新たに厚生年金健康保険に加入するパート労働者について保険料の本人負担分を穴埋めし、手取りが減らないようにする。そのための「社会保険適用促進手当」を支給する企業に対して、1人あたり最大で50万円の助成金を出す。

 財源は、企業のみが負担する雇用保険料で、今年10月から2025年度末までの暫定的な措置とする。

 厚生労働省が「理想形」として例示するのは、時給1016円で週20時間働き、年収106万円になった人への対応。社会保険料の本人負担分約16万円が天引きされるので、手取りは90万円に。そこで企業がこの人に「手当」として16万円(社会保険料の本人負担分にあたる賃金の約15%分)を支給すれば、企業には1年目に20万円が助成される。同様なら2年目も20万円を受けられる。この手当は、賃金とは別扱いで、保険料の算定対象にしない。

 その後、3年目に「手当」を…

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この記事を書いた人
浜田陽太郎
論説委員|社会保障担当
専門・関心分野
社会保障、定年後