第2回履歴書の空白、低い自己評価 就労に不登校の影 支えてくれたのは…
23歳の頃だった。
関西地方の実家にいた男性(30)は、アルバイトをしようと履歴書を書き始めてがくぜんとした。
学歴欄を埋めようとして、手が止まった。
小3から不登校になり、中高と続いた。
4浪してようやく受かった私立大学は、1年経たずに中退した。
不登校で周囲とのつきあい方がわからないまま、新しい集団に所属するたびになじめずに苦しんできた。
アルバイトの採用担当者が履歴書を見たら「また辞めるんじゃないか」と思い、書類ではじかれてしまうのではないか。
「不登校の『ハンディ』は一生続くんだ」。重い気持ちになった。
不登校になったきっかけは教員の暴力だった。
演じた「お調子者」 突然のほおの痛み
小1の秋ごろ、父の転勤で関東から関西に引っ越した。初めての転校。クラスの雰囲気はがらりと変わった。
周囲との壁を崩すために「お調子者」になることにした。授業中でも、何かあるとふざけて声を上げた。
小3の秋、担任の教員がクラスの騒がしさに声を荒らげた。
「先生が一番うるさいでーす」。からかうように言うと、ほおに痛みが走った。教員から平手でたたかれたのだ。
同級生の前で受けた突然の暴力。強いショックを受けた。教員はその後謝罪したが、腫れ物に触るような扱いになった。居心地が悪く、次第に登校できなくなった。
環境を変えようと、母の発案で遠方に引っ越した。だが、転校先で新たな人間関係をつくれるような精神状態ではなく、やはり登校はできなかった。
関西へ戻ることになり、中学へ。親を悲しませたくなくて、決死の覚悟で登校した。だが、入学直後に同級生から金を要求され、再び行けなくなった。
不登校による進学・就労への影響を考える連載の後編。男性はなんとか入った大学もすぐ中退してしまいます。社会に放り出されて感じた就労への不安とは。
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