弟が釣った不思議な魚、浮袋の謎に挑んだ小3 研究成果が文科大臣賞
旅行先の南の海で弟が釣ったカラフルな魚。初めて見る不思議な魚を小学3年の兄が徹底的に観察し、調べ上げた作品が、第42回「海とさかな」自由研究・作品コンクール(朝日新聞社、朝日学生新聞社主催、ニッスイ協賛)で文部科学大臣賞に輝いた。海の環境を守るために自分には何ができるのだろう――。研究をきっかけに少年は考え、行動を起こし始めている。
居酒屋さん・魚屋さんも協力
京都市山科区の市立鏡山小3年の片山耀斗(あきと)さん(9)。母の加央里さん(39)が近所のスーパーで買ってきたホウボウを小2の春に初めて見て、魚に興味を持つようになった。「なんてきれいな色をしたヒレなんだろう」
押し花をした時のことを思い出しながら、ヒレをティッシュではさみ、図鑑を重しにして乾かした。色は残らなかったが、形の不思議さは残すことができた。
「もっといろんな魚のヒレを観察したい」。家族でよく行く居酒屋の看板に、時々漁港で買い付けると書いてあった。店長さんにお願いすると、珍しい魚があれば買ってきてくれるようになった。近くの魚屋さんにも頼み、入荷したら自転車で買いに行く。観察を続けるうち、魚の種類によってヒレの大きさ、形、付き方に違いがあることを発見した。
どんどん広がる興味
ある時、マナガツオには、ほかの魚にはない臓器があることを見つけた。顕微鏡で見ると、肉眼では見えなかったトゲがたくさん確認できた。ヒレ以外の部位にも興味が広がった。
アイナメを観察した時には、自分の観察に「思い込み」があったことに気づいた。魚には浮袋が必ずあると思っていたが、アイナメにはない。浮袋の形も色も魚ごとに違うと知った。
昨年5月、家族旅行で鹿児島県・奄美大島へ。船釣りで弟が釣った魚はオレンジ色に黒のしま模様。船長さんも知らない。グーグルで検索すると、ヤシャベラという魚で銀色に輝く浮袋があった。これまでに見た魚の浮袋は無色透明か白。銀色の浮袋は初めてだった。
なぜ銀色なのだろう、この銀色は何から出来ているのだろう、と疑問がわいた。
謎が謎を呼ぶ……大人も巻き込み徹底調査
家に近い京都水族館、ヤシャ…
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