月面着陸の成功率は40% 今なお難しい失敗の歴史、日本初なるか
日本の月探査機「SLIM(スリム)」が20日未明、日本初となる月面着陸に挑む。成功すれば世界5カ国目の快挙となる。ただ、月への着陸は失敗の歴史でもある。
世界で初めて月面に到達したのは1959年、旧ソ連の無人探査機「ルナ2号」だった。地球以外の天体に初めて到達した人工物となったが、月面に衝突。月への軟着陸には、66年のルナ9号が初めて成功した。
冷戦下にあった米国も66年、サーベイヤー1号が着陸し、3年後にはアポロ11号での有人着陸にも成功した。
最近の成功は中国とインドだけ
両国だけで20回近く着陸しているが、50年以上たった今でも、月着陸は至難の業だ。
今世紀の月着陸の歴史を調べてみると、成功率は40%だった。中国、イスラエル、インド、日本、ロシア、米国の計10機の探査機が試みたが、成功したのは中国(3機)とインド(1機)だけ。いずれも宇宙技術開発で米ロに出遅れていた「後発組」だ。
中国は月着陸を3回連続で成功させた。2019年には、通信などの面で着陸の難易度が高い月の裏側に着陸した。さらに20年には、米国のアポロ計画、旧ソ連のルナ計画に続いて月の土を地球に持ち帰ることに成功。将来の月面有人着陸も視野に入れ、「宇宙大国」の存在感を見せている。
一度失敗したインドは、4年後の再挑戦で23年に月着陸に成功。氷が存在するかもしれない南極付近に世界で初めて降り立ち、探査した。
■小惑星→火星→月の順で難し…