第2回未来変えた衝撃ゴールの裏側 筑波大で三笘薫が味わった人生初の体験
「戦術・三笘薫」
筑波大蹴球部の小井土正亮監督は、三笘薫が大学4年生のときのチームをそう表現していた。
左サイドの三笘にボールをあずけ、彼のドリブルからチームの攻撃が始まる。そういう戦術的な意味だけを込めた言葉ではない。
「自分の力で、チームを勝たせろ」
「戦術は自分だ、というくらいの意識をもって戦ってほしい」
三笘への、そんなメッセージでもあった。
三笘は幼い頃から高校までJ1川崎フロンターレの下部組織で育った。高校3年のとき、トップチーム昇格の話もあった。
ただ、「すぐにプロでできる自信がない」「もう一度、自分を鍛え直したい」と、あえて自ら筑波大進学を選んだ。
大学時代のチームメートの目に、どう彼は映っていたのか。
2学年上のFW中野誠也(現・大宮アルディージャ)は振り返る。
「よく、試合前に(ブラジル代表)ネイマールの動画を見ていたのは覚えています」
ドリブルが得意なスーパースターを見て、イメージを高め、試合に向かう。入学当初から、ドリブルで相手を抜く能力はずば抜けていた。目の前の相手にこれでもかとドリブルを仕掛け、どんどん抜いていく。
ただ、周囲は心配もしていた…
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- 【視点】
「別に、全員を抜いて点を取ってくれれば、文句はないけどね」。筑波大の小井土監督が三笘選手にかけたこの言葉、とっても粋だなって感じます。コーチングの絶妙な「余白」とでも言おうか。何でもかんでもドリブルしすぎることのリスクを指摘しつつ、最後、で
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