第2回未来変えた衝撃ゴールの裏側 筑波大で三笘薫が味わった人生初の体験

有料記事異才~三笘薫の証言者たち

照屋健
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 「戦術・三笘薫

 筑波大蹴球部の小井土正亮監督は、三笘薫が大学4年生のときのチームをそう表現していた。

 左サイドの三笘にボールをあずけ、彼のドリブルからチームの攻撃が始まる。そういう戦術的な意味だけを込めた言葉ではない。

 「自分の力で、チームを勝たせろ」

 「戦術は自分だ、というくらいの意識をもって戦ってほしい」

 三笘への、そんなメッセージでもあった。

 三笘は幼い頃から高校までJ1川崎フロンターレの下部組織で育った。高校3年のとき、トップチーム昇格の話もあった。

 ただ、「すぐにプロでできる自信がない」「もう一度、自分を鍛え直したい」と、あえて自ら筑波大進学を選んだ。

 大学時代のチームメートの目に、どう彼は映っていたのか。

 2学年上のFW中野誠也(現・大宮アルディージャ)は振り返る。

 「よく、試合前に(ブラジル代表)ネイマールの動画を見ていたのは覚えています」

 ドリブルが得意なスーパースターを見て、イメージを高め、試合に向かう。入学当初から、ドリブルで相手を抜く能力はずば抜けていた。目の前の相手にこれでもかとドリブルを仕掛け、どんどん抜いていく。

 ただ、周囲は心配もしていた…

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この記事を書いた人
照屋健
スポーツ部
専門・関心分野
サッカー、五輪
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    中川文如
    (朝日新聞コンテンツ編成本部次長)
    2024年1月30日14時0分 投稿
    【視点】

    「別に、全員を抜いて点を取ってくれれば、文句はないけどね」。筑波大の小井土監督が三笘選手にかけたこの言葉、とっても粋だなって感じます。コーチングの絶妙な「余白」とでも言おうか。何でもかんでもドリブルしすぎることのリスクを指摘しつつ、最後、で

    …続きを読む