「つらさを過小評価しないで」被災地で高まる抑うつリスク、防ぐには

有料記事能登半島地震ニュース4U

聞き手・石田貴子
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 「自分よりもっと大きな被害にあった人もいる、家族を亡くした人もいる、と自分のつらさをぐっとこらえてしまう人がたくさんいるのでは……」

 兵庫県川西市の女性(65)は、能登半島地震の被災者をそう心配しています。女性は1995年の阪神・淡路大震災で、ライフラインが断絶した中を過ごしました。より被害が大きかった神戸などの様子を見ると、自宅が損壊していないのに「しんどさ」を口にできない、と感じたことを覚えているそうです。

 能登半島地震を受け、SNSなどを通じて読者とつながる#ニュース4U取材班が被災経験のある方からの投稿を募ったところ、この女性のように、能登の被災者の心の状態を心配する声が複数寄せられました。

 被災者の心は。そのケアのために必要なことは。兵庫県立ひょうごこころの医療センター副院長で、精神医療チーム「ひょうごDPAT(ディーパット)」の一員として能登半島地震で大きな被害を受けた石川県輪島市に入った精神科医の青山慎介さんに聞きました。

「みんな我慢している」と口にする被災者

 1月1日の地震発生から約1週間後、輪島市に支援に入りました。

 当時の避難所は仕切りもなく、ストレスフルな環境であったことは間違いありません。プライバシーが保たれないとよく眠れず、不満があっても、自由に話すこともできません。

 「みんな我慢しているので…

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この記事を書いた人
石田貴子
阪神支局
専門・関心分野
子育て、教育、働き方、平和
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