「少年の人生、好転するきっかけを」 熊本家裁の新所長
吉田啓
新たに熊本家裁所長になった矢数(やす)昌雄氏(63)が22日、就任会見を開いた。「よりよい司法サービスが提供できるようにしていきたい」などと抱負を語った。
矢数氏は茨城県常陸大宮市出身で早稲田大法学部卒。1988年に司法試験に合格し、名古屋地裁を振り出しに各地の地家裁や支部などで勤めてきた。東京高裁判事や福岡高裁宮崎支部長などを経て、1月28日付で熊本家裁所長に就任した。
山形家裁では、大学の入試問題が試験中にインターネットの掲示板に投稿された少年事件を担当した。偽計業務妨害の非行事実で送致された少年を「非行事実を認めて真摯(しんし)に受け止めている」などとして、不処分とした。
様々な原因で下降線をたどった少年の人生が、何かのきっかけで良い方向へと変わっていく姿を見てきた。そうしたきっかけになる、少年審判や調査官の助言が出せればと思っている。