宮沢喜一氏が首相在任中の1993年3月、自民党の金丸信・前副総裁を脱税容疑で捜査する方針について、逮捕の4日前から後藤田正晴法相の報告を受けていたことが、宮沢氏の行動記録(日録)の自筆メモで判明した。報告を受けた宮沢氏が、93年度予算案の衆院通過を急ぐよう党側に指示したとみられる記述もあった。
金丸氏は建設業界などからのヤミ献金を割引金融債購入などに充て、10億円余を脱税したとして93年3月に逮捕・起訴された(公判中の96年に死去)。
東京地検特捜部が関係先の家宅捜索と逮捕に踏み切ったのは同月6日。当時の報道によると「手元に割引債が残っていて、それを家宅捜索で押収できるかが勝負だった」といい、捜査は極秘裏に進められた。翌日付の朝日新聞朝刊には「寝耳に衝撃」の見出しが躍り、政界に驚きが広がった。
しかし、当時首相だった宮沢氏には逮捕4日前から、後藤田法相の報告が入り続けていた。
3月2日付の日録には金丸氏…