新宿区、近所に外国人「好ましい」が増加 「好ましくない」の3倍超

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浅倉拓也
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 外国人労働者らの受け入れが広がるにつれ、ネットなどでは移民への抵抗感を示すコメントも目立ちつつある。一方で、外国人住民が多い東京都新宿区による区民への調査で、外国人と共に暮らすことについて肯定的な意見が、否定的な意見を大きく上回り、前回調査より増えていることが明らかになった。

 東京都新宿区は外国籍住民が4万3千人以上と全国で最も多い市区町村の一つで、人口の約12・6%を占める。区は2023年8月、無作為に選んだ住民計7千人(外国人5千人、日本人2千人)を対象に「多文化共生実態調査」を実施し、今年2月に結果を公表した。有効回答は外国人21・2%、日本人38・4%だった。

 日本人住民を対象にした「近所に外国人が生活することについての考え」という質問では、「好ましい」「どちらかといえば好ましい」の肯定的な回答は計38・9%だった。「好ましくない」「どちらかといえば好ましくない」の否定的な回答は計10・8%で、肯定的な考えが大きく上回った。

 若い世代ほど肯定的な回答が多く、18~19歳は計54・6%、20~29歳は計52・9%だった。一方、70歳以上は計26・9%と最も少なかったが、それでも否定的な回答の2倍以上だった。

 調査は今回が3回目。肯定的な回答は、07年が計21・2%、15年が計22・1%。否定的な回答は、07年が計20・7%、15年が計16・9%だった。外国人住民の数が増えるにつれ、肯定的にとらえる日本人も増える結果となった。

 「外国人が生活することにつ…

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この記事を書いた人
浅倉拓也
大阪社会部
専門・関心分野
移民、難民、外国人労働者
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    鈴木一人
    (東京大学大学院教授・地経学研究所長)
    2024年3月17日15時0分 投稿
    【視点】

    新宿区だけの話とは言え、日本で外国人と共生することが好ましいと思う世論が出来てきたというのは素晴らしい。日本における多様性は、都市部においてはだいぶ受容度が高まったと思うが、日本全国で見ればまだまだ。まあ、どの国も田舎の隅々まで多様性を受け

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    浅倉拓也
    (朝日新聞記者=移民問題)
    2024年3月12日3時48分 投稿
    【解説】

    とても興味深い調査です。ネットのコメントなどを見ていると、あたかも移民に対する憎悪が蔓延しているかのような錯覚に陥るため、最も移民の多いまちである新宿でこういう結果になるのは、意外と言えば意外でした。しかし、当たり前と言えば当たり前で、移民

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