関東に住む銀行員の女性は、30歳で結婚ラッシュを迎えた。母からは「いい人はいないの?」と心配される。共通の友人を介して知り合った男性とつきあい始めた。
まじめで穏やかな人。この人の前なら自然体でいられる。32歳で結婚した。
周りには寿退社する女性が多かったが、働き続けた。仕事にやりがいがあったし、経済的に自立していたかったからだ。
37歳で長男を出産後も、長男を保育園に預けて職場に戻った。
連載「ふたりのかたち」
幸せになるために、人生をともに歩むと決めたはず。でも、パートナーとの毎日が思い描いたものにならない人もいます。苦しみの原因は、改善策は。たくさんの「ふたりのかたち」を通して考えます。
「子どものためにきちんとしなきゃ」。帰りが遅くなっても一汁三菜を用意。寝る子は育つと午後9時までに寝かせた。
一方、夫は出産後から威張るような態度をとるようになった。「お風呂を洗ってやった」「運転してやった」――。何かをお願いするたび「してやった」と言う。それでも、けんかをしたくなくて言い返せない。
ある日、「俺は子育てを手伝ってやんないぞ」と言われた。「今まで手伝ってたの?」。そう聞くと、夫は否定しなかった。
職場で午後5時までに仕事を終わらせようと頑張れば、むしろ新しい仕事が降ってくる。家事も育児も「終わり」はない。わけもなく、涙が出るようになった。
大好きな読書に使える時間もない。自分がすり減っていくしんどさで、息子が小学校に上がる頃に退職した。
外で働いている人だけが偉いんじゃない
それからだ。夫が高圧的にな…
- 【視点】
それぞれの夫婦によって、どのように生活を営んでいくかは異なるだろうと思います それでも、最後まで読んで、とても悲しくなりました。 32歳で結婚なさってから、途中で家庭の面倒を見る役割となり、その後、いろいろつらいこともあって、もう20年
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