セキュリティークリアランス法案、衆院本会議で可決 なお残る懸念
笹山大志
経済安全保障に関する重要情報の取り扱いを国が認めた人に限る「セキュリティークリアランス(適性評価)制度」を導入する法案が9日、衆院本会議で与野党の賛成多数で可決された。今国会の成立は確実だ。運用状況を毎年国会に報告するなどの修正を加え、多くの野党も賛成に回ったが、プライバシー侵害への懸念はなお残る。
新たな制度は、国家の安全保障に支障を及ぼすおそれのある経済分野の情報を重要情報に指定。公務員や企業の従業員らの同意を前提に、家族の国籍や本人の犯罪歴、精神疾患、飲酒の節度、借金の有無などを国が調査し、重要情報を扱う権限を与える。情報を漏らした場合は、5年以下の拘禁刑などの処罰を科す。
適性評価制度は2014年に施行された特定秘密保護法で導入済みだ。今回の法整備により、対象の重要情報は従来の防衛・外交・スパイ防止・テロ防止の4分野に経済安保が加わる。経済情報を扱うことから、民間人の対象が増えることが想定される。
政府は、主要7カ国(G7)…