なぜ、小学生は全試合無料なのか 鹿島社長が語る「ばらまき→投資」

有料記事

聞き手・照屋健
[PR]

 小学生以下は、全試合無料――。サッカーJ1の鹿島アントラーズが今季から、ホームゲームで子どもの試合観戦を促すための取り組みを始めた。無料にした狙いや、期待できる効果について、小泉文明社長に聞いた。

 ――今季から県立カシマサッカースタジアム(茨城県鹿嶋市)でのホーム戦で、小学生以下を無料にした理由は?

 「昨年、観客数がようやく新型コロナウイルスの影響が出る前の水準に戻ってきました。1試合平均2万2031人はクラブで過去2番目に多い数字。コロナ下でリスクを避けていた態勢から、将来に対して投資していく、というマインドに変わってきた時期でした」

 「クラブとして中長期の戦略を考えるなかで、『投資するのはやっぱり未来じゃないか』と。将来のアントラーズを考えたとき、若い子を取り込まなければ、どんどん先細ってしまいます」

 「子どものころに観戦したインパクトは大きいし、お父さん、お母さんが好きなチームは子どもも好きになりますよね。若いときにアントラーズファンになれば、なかなか離れない。逆に、一度他クラブのファンになると、そこから好きになってもらうのは難しい」

 ――ホームタウンだけでなく、全国の子どもたちを対象にしたのは、なぜですか。

 「アントラーズは関東一帯か…

この記事は有料記事です。残り2543文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
照屋健
スポーツ部
専門・関心分野
サッカー、五輪
  • commentatorHeader
    中川文如
    (朝日新聞コンテンツ編成本部次長)
    2024年5月5日7時30分 投稿
    【視点】

    タイパだコスパだとかまびすしい世の中です。小泉社長がおっしゃる通り、コンテンツ競争はボーダーレス化、激化をたどる一方です。で、鹿島アントラーズのこの戦略です。この戦略、一つのスポーツクラブの生き残り戦略とはまた別の文脈でとらえたいと感じまし

    …続きを読む