ギャンブル依存に陥った王者「このままだと死ぬか、刑務所に入るか」

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聞き手・吉田純哉
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 「このままだと死ぬか、刑務所に入るか」。元キックボクサーの中竹一刀さん(40)はギャンブル依存症に苦しみました。有名な格闘技団体の王者はどうギャンブルにはまっていったのか。ギャンブルとスポーツとの距離の近さについても、その実態を聞きました。

 ギャンブルにはまり出したのは、高校生の頃です。最初は友達とのパチンコ。友達に付いていって、仲間外れにされたくなくて、一緒に打つようになりました。非行に走って、親に高校を退学させられてからも、バイトしながらパチスロをずっとやっていました。

 乱れた生活を見かねた親が、小学生時代に通っていた空手道場の館長に僕を預けました。19歳のときです。まもなく道場に住み込むようになり、格闘技に懸命に取り組みました。パチスロをやることもありましたけど、のめり込むほどではありませんでした。28歳で、「RISE」というキックボクシングの大会でチャンピオンになりました。

 その後、試合で右腕の尺骨が折れて、なかなか完治しない時期がありました。ギプス生活を繰り返して、手術もしました。ストレスもあり、毎日朝から晩までパチスロばかりしていました。道場の後輩からも50万円くらい借りました。ここからギャンブルが加速しました。

 お世話になった道場とはけん…

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この記事を書いた人
吉田純哉
オピニオン編集部
専門・関心分野
スポーツ、文化、教育
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    マライ・メントライン
    (よろず物書き業・翻訳家)
    2024年5月29日10時0分 投稿
    【視点】

    【半年くらいギャンブルをやめていたんです。でも、ギャンブル依存は変わりませんでした】という言葉が重い。地味に、ある意味死ぬほどの思いで「半年やめていた」時点で、もう「禁ギャンブル」要件は充分に達しただろうとか、勝手に脳内で免罪符をつくってし

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    平尾剛
    (スポーツ教育学者・元ラグビー日本代表)
    2024年5月29日16時21分 投稿
    【視点】

    ギャンブル依存症の怖さを痛感したのはもちろんですが、トップアスリートに固有のメンタリティに私はギクリとしました。共感したんです。具体的には以下の箇所です。 「試合とギャンブルは、集中する感覚や勝った興奮、終わった安堵(あんど)感などが似て

    …続きを読む