ボーイング、苦節14年の有人宇宙船開発 スペースXから4年遅れ
米航空大手ボーイングが開発した宇宙船が5日、初めて有人試験飛行に成功した。開発は苦難の連続だった。米宇宙企業スペースXから遅れること4年。ようやく本格運用への道筋がついた。
打ち上げから約1時間半後、発射場となったフロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地に隣接するケネディ宇宙センターでの記者会見では、開発が遅れた点についての質問が相次いだ。
ボーイングのマーク・ナッピ副社長は、スペースシャトルの開発時にも「悪い見出しの記事」がたくさんあったが、「シャトルは信じられない成功を収めた」と指摘。「いつか、このプログラムも同じように振り返る日が来るだろう」と語った。
初めてとなる今回の有人飛行試験は延期の繰り返しだった。
もともと設定されていた試験飛行は先月6日。天候にも恵まれて打ち上げは順調に進むとみられたが、予定の数時間前に延期が決まった。
原因は宇宙船そのものではなく、宇宙船を打ち上げるロケット。何度も打ち上げ実績がある「アトラスV」で、ボーイングと米ロッキード・マーティン社の合弁会社ULAが開発した。
しかし、その後の原因調査で、宇宙船そのものにもヘリウム漏れがあることが判明。ほかにも問題が生じ、打ち上げはさらに延期されることになった。
その後、日程はずるずると後ろ倒しになり、再度設定された今月1日。順調にカウントダウンが続いたが、約4分前になって急きょ、地上で状況を確認するシステムに問題が生じ、またも延期になった。
そして迎えた5日。これまで繰り返してきた課題に一つひとつ対応してきた成果が実り、無事に打ち上げに成功。宇宙船は地球周回軌道に入り、国際宇宙ステーション(ISS)に6日に到着する予定だ。
これまでの無人試験も平坦(…
- 【視点】
何度も延期が続き、有人飛行ということもあって心配していたボーイングの宇宙船「スターライナー」ですが、無事に打ち上げが成功してホッとしました。NASAとしては、スペースXだけに頼るのはリスクなので、できるだけ早くスターライナーと併用する体制を
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