第6回教育虐待が子どもから奪う「最も重要な力」 小児科医に聞く親の心得

有料記事中学受験と教育虐待

聞き手・高浜行人
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 親の熱意とは裏腹に、負の影響を及ぼしかねない「教育虐待」を避けるには、保護者はどうすればいいのか。小児科医として数万人の診療経験があり、多くの親子の悩みに耳を傾けてきた新百合ケ丘総合病院川崎市)の高橋孝雄・発達神経学センター長に聞いた。

 ――近年、中学受験熱が高まるなか、教育虐待の増加を懸念する声があります。

 教育虐待に当たると感じる事例は以前からあり、近年、その頻度が高まってきた印象はあります。増えたのか顕在化したのかはわかりませんが、目につくようになったとは言えます。

 ――教育虐待とみられる事例に共通点はありますか。

 私が拝見するのは、子どもに何らかの症状が出て受診するほど深刻化したケースであり、平均像とはずれている可能性があります。それを前提に言えば、保護者が子を愛するあまりの過干渉という共通点があります。

 小さい頃から着る物、食べる物の全てに気を配り、勉強時間を管理する。子は無自覚のまま追い詰められ、思春期が始まる小学5~6年生ぐらいで拒食や無気力などの症状が表れて来院するケースが多いと感じます。不登校や、暴れるなどの問題行動が受診につながるケースも多くみられます。

 ――保護者が過干渉する理由…

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この記事を書いた人
高浜行人
東京社会部|教育班キャップ
専門・関心分野
学校教育、受験、教育行政
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    本田由紀
    (東京大学大学院教育学研究科教授)
    2024年7月7日9時50分 投稿
    【視点】

    教育社会学の研究の中には、親の人間関係(ネットワーク)の性質と子育ての関係を分析した結果がある。子どもの成績等を他の子どもと比較したり、行動を押し付けてくるような負のネットワークが、配偶者や親族、友人知人に多い場合に、親は子どもの成績などの

    …続きを読む