77歳2期目の村長「不本意だが、出馬」 なり手不足で引退できず

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小山裕一
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 誠に不本意ではあるが、出馬を決心した――。長野県南部の下條村で今月はじめ、村長が引退を翻し、3選に向け立候補を表明した。愛知、静岡県境に近く、山あいにある人口3千人余りの小村は村長選の告示日まで1カ月を切り、候補者が不在だった。議員のなり手不足が叫ばれて久しいが、首長のなり手も足りない現実がすぐそばに来ている。

後継になりそうな人に直接声をかけるも…

 発端は3月19日の定例村議会だった。現職の金田憲治氏(77)=無所属=は7月2日告示の村長選について、高齢になったこともあり、「新たな時代に対応できる新進気鋭の皆さんに来てもらいたい」と不出馬を宣言した。

 「道の駅」隣接地の振興策や村域の強靱(きょうじん)化など、公約に道筋はついたと考えていた。「コロナ後は世の中の変わり方が激しく、新しい人に道を譲りたい」との思いがあった。後援会も「村長の意思が固い」(後援会の細田建之事務局長)と尊重した。

下條村はタレントの峰竜太さんの出身地で、かつて「奇跡の村」とよばれたこともありますが、地方自治を支える人材は心もとない状況になっています。

 金田氏は長野県施設課長や村…

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