第6回「免許返納できない」 生活の足だったバス、1時間に1本→週1本に
東京都のほぼ中央に位置し、「東京のへそ」とも言われる日野市。18万7千人が暮らす町では、昨年4月、市中心部の日野駅と立川駅などを結ぶ京王バスの路線が、週末の1往復を除き実質廃止になった。
「バスがあるのを確認して、越してきたんです」。沿線に住む女性(79)はそう嘆く。寒暖差によって手足の血流が極端に悪くなる難病を抱えている。品川区の戸建てで暮らしていたが、断熱性の高いマンションを探し、2020年冬に日野市へ越してきた。自宅の目の前には、日野駅と立川駅をつなぐバスがとまる。暑さや寒さが厳しい日も、ほとんど歩かずに買い物や通院ができることが決め手だった。
ところが、毎日1時間に1本程度運行していたバスが、土曜早朝の1往復だけに。徒歩だと15分かかるスーパーへの道中、病気の症状で急に歩けなくなることもある。タクシーだと費用がかさむため、外出が減った。「これでは住み続けられない。途方に暮れています」
「どうしようもない」 寄せられた住民の悲痛な声
隣接する立川市は、日野市民…
- 【視点】
交通手段がないのは、単に不便とかいう問題ではなく心身の健康にも直結する問題と言えます。私の故郷もそうですが、子どものころは住宅地ながら歩いていける範囲にスーパー2店と小さな商店街がありましたが、いまは車(バスやタクシー)で大規模店まで行かな
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