核先制不使用の政策提言、国連全加盟国に送付へ ひろしまRテーブル
興野優平
核軍縮の専門家らが議論する国際会議「ひろしまラウンドテーブル」が広島市であり、17日に閉幕した。今年から始める政策提言「ひろしま・ウォッチ」の内容を議論。各国の核軍縮に関する政策を検証し、核の先制不使用などを呼びかける草案をまとめた。
会議は2013年度から開かれ、今回で11回目。日本、米国、中国、ロシア、韓国、豪州から研究者ら21人が2日間に渡って会合に参加した。
「ひろしま・ウォッチ」は、ラウンドテーブルに参加する有識者が、核軍縮を巡る各国の義務や誓約の達成状況を確認し、政策提言する初の試み。全文は8月5日に発表し、被爆地・広島からの呼びかけとして国連に加盟する全193カ国に送るという。
草案では「核兵器のない世界という夢の実現は、これまで以上に遠のいた」として、核の先制不使用や新世代の核兵器の生産・配備の中止を提言。核実験の実施に抵抗する必要性も訴える。
議長を務めた藤原帰一・順天堂大学特任教授は記者会見で提言について、「政府首脳に渡すだけでなく、広く社会に伝えていく方法を工夫したい」と話した。