小林製薬の「感度の悪さ」、ファミリー企業の弱点も 識者に聞く

有料記事「紅麴」サプリ問題

松田史朗 福岡龍一郎
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 小林製薬の創業家出身のトップ2人が、紅麴(こうじ)サプリ問題で辞任に追い込まれた。弁護士らの調査委員会が23日、一連の問題対応における経営の機能不全を指摘する報告書をまとめ、その責任をとった形だ。受け止めを識者2人に聞いた。

遠藤元一弁護士

 報告書を読んで気になるのは、消費者を相手に食品を売る企業としての「感度の鈍さ」だ。それが象徴的に表れているのが、常勤監査役の行動だ。

 常勤監査役は2月13日の経営会議で、いままで経験したことない症例が出ていることを知った。本来なら翌日以降、もっと迅速に動くべきだが、1週間以上たった21日の監査役会で初めて社外監査役に知らせ、他の議題とともにこの件を取り上げただけだった。「事案の性質上、アクションが遅くなってはいけない」との姿勢だったというが、どこかお気楽な印象で傍観しているようにしか見えない。

 ある社外取締役も2月に症例…

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