米民主ハリス氏の副大統領候補にウォルズ氏 政治経験豊富な白人男性
米大統領選に向け、民主党のハリス副大統領(59)は6日、副大統領候補に中西部ミネソタ州のティム・ウォルズ知事(60)を選んだ。非白人の女性であるハリス氏は、白人男性で、連邦議会と州の両方で政治経験が豊富なベテランを補佐役に据え、支持層の拡大を図る。
ウォルズ氏は元高校の社会科教師で、アメリカンフットボールのコーチも務めていた。24年間、陸軍州兵として任務をこなし、その後、連邦下院議員に6回連続で当選した。2018年にミネソタ州知事に当選し、現在2期目。
米紙ニューヨーク・タイムズは、ウォルズ氏の人物評について、「米国の地方に住む人々と似た生活の経験を持つ」とする元上院議員の言葉を伝えている。また、ウォルズ氏の知事としての仕事について、「ミネソタ州を急激に左傾化させた」とも評している。
その具体例として挙げるのは、州法への人工妊娠中絶の権利の明記、州内の学校での無料給食への資金提供、雇用主への有給医療休暇と家族休暇の提供義務付け、銃購入時の身元調査拡大などだ。
西海岸の都市サンフランシスコにルーツがあるハリス氏に対し、ウォルズ氏は中西部の接戦州に住む有権者と狩猟や釣りの話ができる点で、ハリス氏と「釣り合いがとれる」と評する米メディアもある。
バイデン大統領が7月に選挙戦からの撤退を表明して以降、ウォルズ氏は副大統領候補として注目が集まり、テレビでの露出が急に増えた。
テレビ番組でウォルズ氏はトランプ前大統領らを「奇妙だ(weird)」と呼んだ。これが、ハリス陣営が共和党を批判する際の言葉として定着するきっかけになったとされている。
それまでミネソタ州知事として全国的な知名度は決して高くなかった。ただ、20年に同州ミネアポリスで白人警官が黒人のジョージ・フロイドさんの首を圧迫して死なせた事件が起きた際の対応をめぐって注目されたことがある。
抗議デモは一部が暴徒化し、商業施設での放火や、商品略奪にまで発展。ウォルズ氏は最終的に治安を保つために州兵を投入する知事令を出したが、その対応が遅いと批判を浴びた。
米FOXニュースによると、共和党側はこの時の対応をめぐり、副大統領に求められる「リーダーシップが欠如している」と攻撃材料にしている。
ハリス氏の副大統領候補をめぐっては、ともに白人男性の元宇宙飛行士のマーク・ケリー上院議員(60)や、接戦州ペンシルベニア州のジョシュ・シャピロ知事(51)も有力視されていた。女性のミシガン州のグレッチェン・ホイットマー知事(52)や、同性愛者を公表しているピート・ブティジェッジ運輸長官(42)らも、候補に挙がっていた。
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米大統領選の民主党副大統領候補の名字の表記を「ワルツ」から「ウォルズ」に変更します。現地の発音により近い表記に合わせます。